レーシック手術の方法

眼は焦点を合わせることにより像をとらえるビデオカメラに例えられます。

角膜・水晶体の2枚のレンズにより光を集め 網膜というフィルムに像を結び、その像を電気信号に変えて 脳に送ることで物を認識します。 網膜にきちんとピントが合えば物はくっきり見えますがこれが手前でピントを結んでしまうとぼやけた像が網膜に映ることに なります。これが近視です。

これを改善し、網膜にピントを合わせ るために通常はメガネやコンタクトレンズを用いますが角膜の形状をレーザーによって変形させ、屈折率を変えることにより ピントを合わせるのがエキシマレーザーによる近視矯正手術です。

また、角膜に一定の厚さが必要なため、角膜が薄い場合や眼に疾患等を抱えている場合は手術が受けられません。近視の進行する10代などの若いうちも手術は受けられません。

【レーシック手術の手順】

1.手術をする前に局所麻酔の点眼薬をします。


【局所麻酔の点眼をする】

まぶたを金具で引っ張って目を開けさせて麻酔の点眼を行います。なので、手術中に痛みはまず出ませんし、手術中にまぶたを閉じてしまったり、違う方向を向いてしまい、 手術が失敗するということはまずありません。


2.フラップを作ります。 


【マイクロケラトームでフラップを作る】

LASIK手術の特徴にフラップを作製するという物があります。
同じエキシマレーザーを使った近視矯正手術PRK手術とはこの点で違います。マイクロケラトームという「かんな」のような物を使って フラップをつくるのですが、近視を矯正するためにはレーザーで 角膜実質を削る必要があるのですが、実質は角膜上皮、ボーマン膜という組織の下にあるので、実質を削るためにはこれらの組織を除去しなければなりません。

よって、角膜組織除去を行うPRK手術では、 術後角膜上皮が元に戻るまでの間、痛みを伴い、視力が回復するまでに時間がかかってしまいます。 また、炎症反応も強く起こり、術後しばらくしてから角膜上皮の下に傷痕のような濁りを残すことがあります。

この問題を解決させたのがLASIK手術です。

LASIKでは角膜の約1/4の厚みのフラップをつくることで、角膜の上皮とボーマン膜をほとんど傷つけることなく角膜実質をレーザーで削ることを可能としました。

これにより、痛みは少なく、視力の回復も早いので両眼同時手術が可能で、術後の安定性も良く、混濁を残すこともなくなりました。


3.フラップをめくります。


【フラップをめくる】

マイクロケラトームで削った角膜をめくります。これでレーザー照射の準備が整いました。めくった角膜はあとで元へ戻します。


4.レーザーを照射します。 


【エキシマレーザーを照射する】

マイクロケラトーム(カンナのような機械)で角膜の表面を薄くスライスして作成したフラップをめくって、露出した角膜実質層に エキシマレーザーを照射します。

レーザーによって角膜の一部を削っていきます。(蒸散させる)


5.フラップを元に戻します。


【フラップを元の位置に戻す】

手術の際に作製したフラップは元の位置に正確に戻すことで糸で縫う必要もなくしっかり密着します。 瞬きなどでずれたりすることはありません。 これにより、角膜中央部が薄くなるので、角膜の曲率(屈折率)が下がって(凹レンズを用いたのと同じ効果) 近視が矯正されるのです。

ただし、術後早期に目を擦ったりすればずれる可能性はありますので 一週間は保護用のサングラスと就寝時には目のガードを使用します。


6.術後感染予防のために抗生剤を点眼します。


【抗生剤を点眼する】

視力は術後直後から1日程度で矯正され、見え方は劇的に変化します。 視力が安定するには1週間から1月程度かかり、90%以上の人が裸眼視力1.0以上になります。