レーシック医院の選び方

こんな事件をご存知でしょうか?

━━━━ 銀座眼科、滅菌装置1度も点検せず。手術着使い回し・・

東京都中央区の診療所「銀座眼科」でレーシック手術を受けた67人が感染性角膜炎などを発症した問題で、溝口朝雄院長が2006年の開院以来、手術器具の滅菌装置を一度も点検していなかったことが、中央区保健所の調べでわかった。使い捨てにすべき患者用手術着の使い回しも判明し、区保健所は衛生管理がかなりずさんだったとみて、67人以外にも発症者がいないかどうか確認を指示した。 

今回の集団感染は、角膜の表面を薄く切る道具の先端を高温で滅菌する装置の故障が一因である可能性が高いとされ、メーカーの調査で滅菌温度が十分に上がらない不具合が確認されたという。ところが、溝口院長は区保健所の調査に対し、「点検を行ったことがなく、正常に作動していると思った」と話したという。

取り扱い説明書も院内に保管しておらず、区保健所は溝口院長が滅菌装置が適正に動いているか確認する方法さえ知らなかったと見ている。 さらに、溝口院長は、手袋を着用せずに手術したことがあるほか、手洗い用の消毒液についても「薄めて使っていた」などと説明。手術室の清掃は溝口院長が不定期に行っていたという。(2009年2月27日 読売新聞)


いやはや、参りました。 こんな初歩的なことも出来ていないクリニックがあったとは驚きです。医療者の風上にも置けない人間です。 今のご時世、患者側からいちいち消毒してるかどうかの確認までしなくてはならないとは。非常に残念です。

さて、上記の様なクリニックは例外的な、悪質なものですが、 多くのクリニックはそうではないでしょう。

ではどういったクリニックを選べば良いのか、具体的に考えてみましょう。ここで、ひとつ考えてみて欲しいことがあります。

今、あなたが心臓病で手術が必要だと宣告されました。選択肢は2つ。

1, 比較的近い距離にある医院で、手術症例数の少ない医師。

2, 遠方だが、手術症例数が全国で1,2を争う数をこなしている医師。

さあ、どちらに命を預けますか? そうですよね、当然2ですよね。つまり、なんと言っても実際に手術をこなしている数が多いクリニックが圧倒的に経験やデータの蓄積が多く、それだけ信頼がおけるということです。

ちなみに、2009年8月の時点で、レーシック手術の症例数では 品川近視クリニックが55万以上、 神奈川クリニック眼科は23万以上の実績があるそうです。

レーシック手術は大体両眼する物ですので、品川近視クリニックが 約23万人、神奈川クリニック眼科は約13万人の方が手術を行ったという 計算になります。

地理的になかなかこれらのクリニックに行くことが出来ないという人も、もちろんおられると思いますが、全国で最も有名な両クリニックの症例数が分かれば、それは1つの選考基準になると思います。

つまり、少なくとも10万件以上の実績があるクリニックが良いのではないのでしょうか。

それから、クリニックの雰囲気というのも非常に重要です。特にスタッフ教育が出来ているかどうかというのは、医療もサービス業ですので、そういったところまで行き届いているクリニックは自ずと患者数も多いですし、業務もきちんと回っていますので、つまらないミスという物は比較的少ないと思われます。

人間関係がぎくしゃくしているクリニック、サービス業であるにもかかわらず殿様商売している感が見受けられるようなクリニックでは、きちんと患者側を見てくれないこともあるでしょう。

こういったことを見極めることが患者にも必要だと思います。

最後に、基本的なことですが、日本医師会が定めている認定医制度により 眼科認定医の認定を受けている医師が常勤しているクリニックがお薦めです。

万が一、レーシック手術でなにかの異変が起きた場合に、レーシックだけの知識では対処できないこともあるからです。きちんとした眼科医であれば、何か異変が起きてもきちんと正しい対処ができるので安心です。

ポイントをまとめますと、

●比較的通院が可能な距離にあるクリニック
●そのなかでもレーシック手術症例数が多いクリニック
●患者の疑問・質問にきちんと対応するクリニック
●眼科認定医が居るクリニック

といった所になると思います。あとは、実際に行ってみて色々話を聞いているうちに先生との相性という物もありますので、そういったところも判断基準になると思います。お互い人間ですので、馬が合う合わないはありますので。