レーシックとは?


【眼球の構造:1/3断面図】

視力回復手術であるレーシック (LASIK: Laser in Situ Keratomileusis ) とは、角膜屈折矯正手術の一種で、角膜を薄くスライスして角膜実質(角膜を構成する物質)にエキシマレーザーを照射し、 角膜の曲率(光の屈折率)を変えることにより視力を矯正する手術で視力を1.0近くまで引き上げる事が可能な手術です。

要するに、角膜を削ってレーザーを当てて変形させて角膜自体を眼鏡のレンズの様にしてしまうという物なのです。 エキシマレーザーの光は波長が短いので 角膜の一部分を必要なだけ正確に除去することが可能です。

レーザーといっても熱は出さず、また衝撃波がないので、 熱に弱い角膜組織に悪影響を与えることがありません。なので、エキシマレーザーを使ったレーシック手術は痛みをほとんど伴うこともなく、視力回復が早いという特徴があります。

アメリカでは1995年にFDA(米国食品医薬品局)によって 日本では2000年1月に厚生省(現・厚生労働省)によってその使用が認可されており、 エキシマレーザーには発癌性が無いことが確認されています。

それ以来、アメリカではレーシックという画期的な手術方法の開発により手術希望者が増加、2000年には累計70万人、2002年以降では 累計100万人以上の方が手術を受けているそうです。その後、手術の認知度が徐々に高まり、安全性も確認されたことで 手術者数・希望者数が年々増加しつつあります。

ちなみに2002年以降は年間に3万件以上の手術施行数が報告されています。最近では芸能人がこのレーシック手術をして、 視力が見違えたという体験談を聞く機会が多くなりました。 これらのメディアに取り上げられることで、 その認知度は増々高くなっています。

【エキシマレーザー装置】

レーシック手術におけるメリットは、近視の視力を補正するために使用していた眼鏡やコンタクトレンズ等の道具がいらなくなる。 といったことや、就業にある程度の裸眼視力が必要な職業の場合、 就業することが可能になることです。レーシック手術の方法におけるメリットは、

●手術時間が短い
● 両眼同時手術が可能
● 回復が早い
● 痛みが少ない
●術後の経過が良い

などが挙げられます。
レーシック手術をする上でのデメリットは、 少なからず失敗・術後合併症等のリスクが存在するということが 一番ではないでしょうか。 また、症例数が増えてきたとは言え歴史が浅いため、 長期に渡る安全性が実証されていません。

ごく稀に術後、近視に戻る症例も報告されているようです。 手術方法として角膜を削るので術後角膜に 微細な傷痕が残ることがあります。 他人から見る分には全く分からないのですが、 これによって次のような症状が出ることがあります。

●角膜の傷によって光線が撹乱され、網膜像のコントラストが低下する。
●術後、一過的または継続的にハロ・グレア(光の輪が見えたり、ギラギラする感じに見える)が出現する。
●角膜が薄くなる分変形しやすくなるため、体調や天候・高度によって視力が変動しやすくなる。
●角膜中心部の曲率しか変わらないので、夜間瞳孔が開くと、角膜周辺部の術前と変わらぬ曲率をもつ部分を通った光線が網膜に到達し、二重像を生じたり  夜間視力が低下したりすることがある。
●フラップの作成により角膜中心部の知覚神経が切断されるため、ドライアイになることがある。
●フラップは時間の経過とともに安全な強度に近づくが完全に元には戻らない。強い外圧がかかるとごくまれにフラップがずれる場合がある。

などが挙げられます。